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沈黙を破ったのは医者だった。
「良いでしょう。その話は追々としましょう。薬が出来るまで、のんびりしていて下さい。来月は来れますか?」
私が来ると返事をすると
「では来月必ず来て下さい。症状が重く成ったら、何時でも夜中でもあっても来て下さい。薬が合わない場合もありますから、服用には注意し、良く見てあげて下さい。ご苦労様でした。」
そう言って頷いた。
私は薬を受け取り、診療所を後にした。料金は千瓶だった。食事をする程度の金で、ひと月分の診療をする名医が、こんなに近くに居たのか。狐に摘ままれた感さえあったが、あの医者を信用してみる事にした。帰って君に薬を飲ませた。
「苦い…。」
君は水を沢山飲んだ。
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