一人の医者

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宿屋に入ると、ターゲットの部屋へ一直線に向かい、其のまま部屋へ入って戸を閉めると、男女は全裸で此方を見た。私は刀を木箱から取り出しながら、ズカズカと近寄り男の首を跳ねた。女が声を上げる直前に、女の首も切断した。血が激しく飛び散る中、私は窓から飛び下り、約束の場所まで歩いた。走る必要が無かろう。 T字路まで来ると横の戸が開いて、中のコウノトリと目が合い、私も中へと入った。コウノトリは黙って私に上着を着せ、元の傘に変え、表門の穂立の所へ導いた。 シロが駆け寄り、コウノトリに跪いて頷く。コウノトリは 「確認しました。では又後日。」 と会釈したので、私は穂立を走らせた。雨は霙に変わっており、傘を被ってはいたが、それでも霙は顔で弾け視界も悪く、馬で走るには良い環境では無かった。眠ってるであろう、君の体温を欲した。
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