誕生日

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三月一日、先日投げ文があってシロと話をしたが、依頼を断った。二十九人もの人数で館を襲う任など、群れる事が嫌いな私は相手にせず、シロは何時にもなく執拗に頼んでは来たが、首は縦に振らなかった。その日は君とゆったり戯れた。 そして今朝又投げ文があった。神社脇の小屋へ出向くと、コウノトリが居た。 「先日の件で、再度お願いしに参りました。今回はどうしてもフクロウさんの腕を望んでおります。」 と、先日と同じ依頼書を渡された。私は取り敢えず黙ってみたから、コウノトリは自然続ける。 「フクロウさん、貴殿の一太刀の威力の程は、これまで幾度となく見て参りました。刀一閃で命を断つ、貴殿の力が必要なんです。この件の成功後には、任の活躍を省いてでも、昇給をお約束しましょう。」 我々の部署の責任者でもあるコウノトリが、直々依頼に来たのは初めてだったし、恩を売っておくのも悪くないと思った。 「私は群れるのは好かんのだ。人の動きを気にしての仕事は面倒だし、複数の人間との会話も気配りも、ましてや気持ちを交わすなど好まない。」 まあそう答えた。するとコウノトリは何を思ったか 「そうですか。では受けてくれるのですか?」 と笑顔を見せたので、私は一瞬驚いた。
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