赤の人

今日も君は…

食って行くには金がいる。金を得る為西へ行く。別段な野心も特別な志も無く、少ない時間でそれなりの金を得るには、私には手っ取り早い手段だった。金は後払い。一人で動く私に大物の仕事は先ず来ない。確実な仕事をしているから、金はそれなりに貰う様に成っていたし、生活に苦労が無く、君の傍に居る時間が取れれば、それで良かった。

現地付近に到着して、コウノトリと接触した。コウノトリは穂立の綱を取り

「この先のＴ字の右角の呑み屋に居ますから。」

と言った。私は返事をしないでその呑み屋付近で酒を購入し、石に座り呑み始めた。丁度買った分呑み干した頃に、その男は出て来た。知り合いであろう三人で現れたが、一人とは呑み屋の前で別れ、死に街道をフラフラと行き始めた。