第一章

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「いれないよ。そんなにいれたいなら他のスタジオ行きなよ。あれだったら安いとこ紹介してやるよ。」 シッシッと女を追い払うように俺は言う。 「何でよ。今日が無理なら予約すればいいんでしょ?だったら予約するわよ。いつならいいの?」 予約をとられても俺はこの女にタトゥーをいれる気はなくなっていた。 何様のつもりだと思われるかもしれないが俺は客を選ぶ。 一生残る傷を背負わせるなら俺もその傷を背負う覚悟が必要だ。 軽はずみな感情でタトゥーをいれたりしたヤツはほぼ100%の確率で後悔する。 後悔を前提として傷を身体にいれるなんてとんでもない話しだ。
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