可愛いあの子。

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「ちょっ、ネズミ!」 「離せ!!」 事の発端は20分前にさかのぼる。 ――――――――――― 「センター……。」 「ネズミ…。」 2人は目を瞑って唇を合わせる。 胸元のボタンが開かれネズミに囁く。 「ハァ…、可愛いよ。ネズミ…」 息が乱れる2人。 その光景をそっと見ていた人がいた。 しかし堪えられなくなったのか 「そーいうこと…」 と呟きながら、空き教室の中に入った。 『バッ』 2人は振り返り、目を見開いた。 「おたべ…」 呟くセンター。 「これは…違うんだ!」 おたべはセンターの訴えを笑いながら聞いて 「青春やな…」 と呟く。 「そういえば、ネズミ出ていったけど…w」 とおたべは思い出したように言う。 「はっ!?」 センターは走り去っていく。 「やっぱり、ネズミにはかてへんな…。」 というおたべの呟きがセンターに聞こえる事はなかった。 ――――――――――― 「ちょっ、ネズミ!」 「離せ!!」 「ネズミ、どうしたんだ」 ネズミは涙目になりながら、唇を噛んだ。 「だって……」 「だって……??」 「…私達は『違う』んだっておたべにいったじゃん。」 センターはしばらく口を開けっ放しでネズミをみつめていたが 「ネズミ…」 「なんだっ!」 「…おたべに嫉妬したのか。」 ネズミは涙目を擦り 「……ぅん」 途端にセンターの顔が明るくなり 「キスしていいか?」 「…ダメって言ってもするんだろ?」 ―――――――――end
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