窓の外。

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教室の窓側に座って、放課後の紅い空を見つめていたセンターは 「おいっ」 と不意討ちの怒鳴り声にチラッと目だけむけると また窓の外を見つめた。 「いつもみたいに送ってくれないのか?」 しかしこの問いかけには答えず 「ネズミ、」 と振り向いた。 ネズミはその目を見ると なにも言わず横に並んだ。 「窓の外は好きだ。」 センターは1人言のように呟いた。 「いつか私も窓の外に行きたい。」 そう今度は強い意志を持った目でネズミを見つめた。 急に不安になったネズミはセンターの手を強く握って 「その時は2人一緒だ。」 そう言った。 「当たり前だろ。」 センターはもう一度手を強く握り直した。 「死んでも離れない。」 ――end
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