15人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
私立芥川学園高等部に入学し、肌寒い季節になった。
私は・・・毎日の生き地獄に、今日まで耐えてきた。
気持ち良く起きる事もないし、食べ物も美味しく感じた事なんてない。
「おい、美鈴。今日は早く出るから弁当作っとけっつっただろうが・・・」
自分の部屋から出ると、とてもイラついている父に話しかけられた。
「あ・・・ごめ・・・なさ・・・」
パン!
頬を思い切り叩かれ、私は膝をついた。
ガン!ガン!!
腹部を足で蹴られる。
「ごめんなさいっごめんなさいっ」
こんなの日常茶飯事。
私、梅野美鈴(うめのみすず)。父子家庭で、虐待を受けているが、いつも暴力を散々振るった後、私に物を買ってきて無かった事にされる。
母は私が幼い頃に亡くなってしまった。だから、どんな人間なのかなんて知らない。
「もういい、今日は帰らないから適当にやっとけ」
「・・・はい」
煙草を口に銜え、父は家を出て行く。
私も制服に着替え、朝食を済まして家を出た。
・・・一体、私の人生ってなんなの?ねぇ、神様・・・教えてよ・・・。
ドンッ
「あっ」
下を向いて歩いていると、誰かに当ってしまった。
「すみませっ・・・」
見上げると、金髪の髪をした怖い人だった。
「・・・」
金髪の髪をした男の人は私をじっと見つめた。
「な・・・何か?」
恐る恐る問いてみると、男の人は私の唇に触れた。
「!!?」
最初のコメントを投稿しよう!