第1章

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「血・・・出てる」 「あっ・・・ああ・・・」 私はすぐにその男の人から離れて、自分の口を触った。 「あ、ありがとう・・・ございます」 そう言って、私は急いでその場から立ち去った。 あの人・・・ウチの学校の先輩・・・?でも、制服は着てなかったし・・・なんなんだろ?私と普通に会話するなんて・・・。 「学校くんなブース!!」 下駄箱を開けるとお決まりの言葉。もうこれには慣れた・・・これが私の普通。 沢山の暴言を言われ、私はいつもスルーし、席につく。 「ふう・・・」 鞄を開けて、私がいつも読んでる月刊雑誌を出した。 『川島愛友のお悩み相談室』 この企画は毎月行われていて、一つ一つの言葉が私の生きがい。 ”幸せは歩いて来ない。自分から歩いて掴みとるしか方法はないから・・・” ”1つの笑顔が100の笑顔に繋がるんです。” 私も・・・そろそろ相談してみようかな。 ふいに思った。 「お前何見てんの?」 「うわ、あゆゆのお悩みのやつ見てやがる」 「あっ返してっ」 雑誌を一人の女子に取られた。 「はぁ?だったらもう学校くんなよ」 「つーかさ、あゆゆがてめーみたいな糞、相手にする訳ねーだろ!?」 皆に笑われ、そして雑誌はゴミ箱の中へと放り投げられた。 私の毎日は・・・本当に生き地獄だ。
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