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「お前、川島愛友好きなんだろ?」
「失礼します」
私はそう言い放ち、プールから出て走り出した。
身体は重くなるし・・・生傷が水に触れて痛いし・・・って言うかあの男、なんで私があゆゆ好きなの知ってるのかな?・・・変なの。
「・・・」
なんだか変な感じ。家に帰ろう。
ずずっと鼻をすすった。
「あ・・・」
家に着き、気づいた事があった。・・・鍵を忘れた。
でも・・・何かあんなとこ戻りたくないし、どうしよう。
ふいにあの体育館での出来事を思い出す。
あのまま死んでれば、良かったのに。
私は左腕の制服を捲くり、自分がしてきた自傷行為の後を見つめた。
「生きてたって・・・意味無いよ・・・」
そう呟き、少し笑って傷を触る。
寒いな・・・。このまま凍死でもすればいいのに。ふふっ。
そんな時だった、奇妙な足音が聞こえた。
「?」
顔を上げると、あの変なマント人が私の方へ向かってくる。右手には剣を持っていた。
ドキン・・・ドキン・・・
死など怖くないと思ってた。でもこう言う状況になると緊張はする。
「次は、もっと幸せな人間に生まれ変わってたいな」
そう呟いて目を閉じた。
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