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足音をたてないようにお風呂の前を通り、ゆっくりリビングを除き込んだ。
リビングにも人の気配はない。
おれは手前の、リビングの隣の郷兄の部屋に近付こうと、そろそろと歩き出す。
郷兄の部屋のドアノブに手をかけようとした瞬間。
反対側の部屋のドアが静かに開いた。
その、キィって音にビクッと過剰に反応してしまったおれが恐る恐る振り返ると、そこに立っていたのは、見た事もない男。
見た事ないけど…でも、ムカつくくらい、カッコイイ。
鼻筋がスッと通ってて、切れ長の目は少しつり上がってて。
ちょっと怖い感じもするけど。
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