ACT・1

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耳元に手を持って行って、そいつが何か呟いた。 でもそれは、おれには聞き取れなくて。 「うるせェって。たっけェ声。声変わりもまだかよ」 なっっっ! 冷ややかな目で見下ろされ、頭にカッと血が上った。 確かに高いよ? おれの声。 でも声変わりの時期はちゃんとあったし! ただ、声変わり前とあんまり変わらなかっただけで…。 ってか、おまえ誰だよ? 何様だよ? なんでココにいるんだよっ! どれを先に言って良いか判らなくて口をパクパクさせていると、カチャっと玄関のドアが開いた。 郷兄だった。
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