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そうなんだ。
今日からここが、おれの家になるんだ。
『悪いんだけどさ、祥。今俺、用事があって外出てるんだ。勝手に中入っててくれる? 鍵持ってるよな?』
「…え…? うん…」
なんだ…。
いないんだ、郷兄…。
『そんなに落ち込むなって。すぐ帰るから』
おれの感情を察知してか、郷兄が優しく言ってくれる。
それが嬉しくておれは、
「うんっ!」
電話の向こうの郷兄の優しい笑顔を思い浮かべながら、大きく頷いた。
おれが何故、従兄の郷兄の家に転がり込む事になったかと言うと…。
それは、4ヶ月前にさかのぼる。
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