ACT・1

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父さんが亡くなってからは、女手一つで母さんがおれをここまで育ててくれた。 とにかく、今でも充分若い母さん。 20代だと間違われる事もしょっちゅうだ。 一緒に町を歩いていても、親子にはまず見られない。 大抵言われるのは、“姉弟”だ。 だから別に、恋人がいてもおかしくない。 おかしくないんだけど…。 結婚って…いつの間にっ。 「ま、そんな訳だから、よろしく! 仕事行って来る!」 どんな訳だよ! ってツッコミ入れようとしたけど、母さんは軽い足取りで玄関から出て行ってしまった。
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