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いつからだろう……アタシが人の心を無くしてしまったのは……？
いつからだろう……アタシが心の痛みに鈍感になってしまったのは……？
アタシはどうして、こんな女になっちゃったんだろう……？
それは夢の為……？
アタシの夢、それは……。
アタシはこれまで98人の男達を虜にし、その全てをむしり取った後、ゴミのように捨ててきた……。
医者、弁護士、サラリーマン、公務員、トップアスリート、アーティスト、ミュージシャン、犯罪者……様々な職業の男達と出会ったけど、男なんてみんな同じ……。
下半身は幼稚園児以下……。
みんなアタシに騙されてきた……。
どんなに男を喰い物にしても、アタシの心は痛まなかった……。
どんな犠牲を払っても、アタシにはやり遂げなければならない目的があり、それを達成させる為の意志があるから……。
アタシの目的、それは“ジュリエット”の正社員として入社する事。
秘密結社“ジュリエット”……表向きはフランスに本拠地を持つ、世界規模の派遣会社だったが、その裏では悪女を育成し、世界中にエージェントを送り込み、利益を上げている暗躍組織だった……。
“ジュリエット”に入社する為には難しい試験をクリアしなければならない。
“ジュリエット”の正社員になる為には、組織が指定した100人の男達を騙し、組織の利益の為に貢献しなければならなかった。
男100人達成で見事エージェントの資格を得られるわけだが、そこまでいくまでにも段階がある。
“ジュリエット”に入社希望者は、まず初めに徹底的に悪女としてのノウハウを叩き込まれる。
男を誘惑し、騙していき、10人達成した時点で、バイトの資格が与えられる。
バイトになると、組織から仕事に必要な経費や備品をリースできるようになる。
50人達成で契約社員になれる。
契約社員になると、仕事に必要な人員を組織から派遣できるようになる。
前にアタシが使った偽救急隊員がその例だ。
そして、100人達成した時、一人前の悪女と認められ、“ジュリエット”の正社員……エージェントになれる。
それがアタシの目的だった……。
その目的を果たす為に、アタシは悪魔に魂を売った……。
【続く】
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