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「遅すぎだよ、バカ…」
真っ暗な部屋の中でつぶやいた言葉が、闇に静かに溶けてゆく。
涙を拭いて、そっとキッチンに向かい、冷蔵庫を開けた。
自分のために買った、小さなショートケーキ。
陸の送ってくれた写真を開いて、ショートケーキの横に並べて置いた。
少し違う2つのケーキを交互に見つめながら、私はつぶやいた。
「30才おめでとう」
陸、ありがとう。
end.
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