虐待人間

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まさとしがあまりに笑って話すからみんな何も言えなくなって黙ったまま立ち止まっていると、雨が降りだした。 「駅で雨宿りしよう」康人はすぐ近くにあった無人駅を指差した。 アイツは凄く気まぐれで、夕立なんか呼んでくる。僕らは潰れた小さい無人駅でよく雨宿りしていた。 「俺さ、母ちゃん守るんだ」 まさとしの口癖がその日はいつもより重たく聞こえた。康人なんか泣いていた。雨の音に混じって聞こえる康人の泣き声がだんだん大きくなって、まさとしまで静かに泣きはじめた。 大平は1人、泣くのをこらえて唇を噛み締めていた。
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