六月人間

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となり町までは小学生の僕らの足で40分ぐらいかかった。でも全く苦痛に感じなかった。 秘密基地に行けると思うとアイツに会えるぐらい嬉しくて、それだけで楽しかったから。けれど秘密基地に屋根があったりブランコなんてものがあったりするわけじゃなくて、ただ、廃線になった線路を勝手に僕らが秘密基地と呼んでるだけだった。その上秘密基地でする事といえ線路をひた歩くだけだ。 今思えば、"誰も居ない""僕らだけが知ってる"そんな風に思えるのが楽しかっただけなのかもしれない。
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