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雪乃は立ち上がると、筆記用具を手にして戻って来た。 「読みにくい筈って…?」 疑問顔で雪乃を見つめる晴香に、すぐには応えず、雪乃はわざわざ英文の方の文章を別の紙に書き写す。 「お義兄様がわざわざ英文に  されたのが1つ疑問でし  た。    そして、この単語。  普通であれば繋げて1つの  意味を持つ物をわざと離さ  れてますの。  それから、筆記体でなく  ブロック体である事。  大文字と小文字の使い方。  …これは暗号文ですわ…」 『えっ?!』 3人が驚いたように、書き移された手紙を覗き込む。 「暗号…それで…。  なるほど…そう言う事か…」 真っ先に納得したのは、文章に再び目を走らせた坂崎だ。 「えっ?!  何て書いてあんのっ??」 「ワケわかんねぇし…。  1人で納得してないで  教えろよっ…」 「暗号かぁ~…。  壱吾さんすっげえな~」 晴香は雪乃に、相葉は坂崎に詰め寄るものの、2人共難しい顔で黙り込む。
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