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戸惑いがちに、それでも先に口を開いたのは雪乃だった。
「お義兄様も、大変迷われた
のでしょう…。
これは晴香。
貴方へ宛てられたメッセージ
でもありますけれど、多分…
私にも宛てられた物でもあり
ますわね…」
「ど、どういう事っ?!」
「……貴方が英語に弱い事を
お義兄様は知っておられ
たのかしら…?」
「そりゃ…多分…」
最初に壱吾の部屋へ行って、レコードのパッケージを見せられた時、全然読めなくて、すぐに放り投げた事を思い出す。
「……だから、分かってたと
思うケド…」
その時の状況を話すと、雪乃も納得したように頷いた。
「普通であれば、愛を綴る内容
の文章は、恥ずかしいもので
すから、本人だけに読んで欲
しいと思うものでしょう?」
「そりゃ…まぁ…。
壱吾ってば照れ屋だし…」
「それをわざわざ読めないと
知っている英語を使って、
書くなんておかしいと思い
ません?」
「…照れ屋だからじゃ無い
の??
書いたは良いけど、読まれ
たくなかった…とか…」
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