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「だーっっ…もうっ!!
壱吾ってば中卒の癖に
生意気だっ!!!
日本語で書いてよっ
日本語でっっ!!!」
早くも考える事を放棄した晴香が、ガリガリと頭を掻き毟る。
「ギャハハっ!
お前、中卒に負けてんの
かよっ。
ダッセェな…」
「アンタも読めなかったでし
ょうがっっ!!
この馬鹿っ!!
馬ー鹿馬鹿っ!!
お前も同罪だぁぁっ」
「俺は日本人なんだよっ!
英語なんて必要ねぇっ!」
「私も日本人だーっっ!!」
「あはは…みんな日本人だっ
てば…」
「少しは勉強して下さい…」
雪乃はズキズキと痛む頭をそっと押さえて呻く。
壱吾の最終学歴は雪乃も知っている。
そんな壱吾が、ここまでの文章を英語で綴るには、それなりに苦労した筈で。
それでも迷った本当の気持ちを英語の暗号で示してあるのに、晴香には理解出来ない。
理解出来ない事を前提にしてしたためたであろう本心に、雪乃はため息をこぼした。
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