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「ねぇっ!  アネキ…教えてよっっ…」 相葉の首を締め上げていた晴香が、思い出したかのように、雪乃へと詰め寄って来た。 ここまで話して秘密のままにする事はとても心苦しいけれど、わざわざ暗号でも“晴香を止めろ”と壱吾は残している。 本当の意味を教えてしまえば、晴香は間違い無く突っ走ってしまうだろう。 それが分かっているのに、教える訳には行かない。 (つまり私に判断しろと言う  事ですのね…。  お義兄様…本当におズルい  ですわ…) 「……今日はもう遅いですし  明日にしましょう…」 「な…なんでっ?!」 「少し考える時間が欲しい  んですの…。  今日は色々あって疲れて  ますから頭が良く回りま  せんし…暗号の解読を間  違えてしまえば元も子も  ありませんでしょう?」 坂崎の様子を見ても、彼もどうやら話す気は無さそうだ。 恐らく彼も、もう一つの暗号に気が付いている。 暗号が隠されているとして考えれば、暗号の作り事態は簡単な物だ。 英語を理解出来る彼なら、きっと直ぐに分かった筈。
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