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雪乃は深いため息をこぼすと、軽く挙げた腰を再び下ろした。
「良いでしょう。
その事が分かっているなら
伝えていた方が良いかも知
れませんね…」
「……どういう意味?」
「言ったでしょう?
お義兄様も迷われていたん
です。
本当は貴方を連れて行きた
いんでしょうね。」
雪乃は再びペンを取ると、サラサラと紙へ書き写す。
「53airport…」
「意味が分かりますか?
5月3日の飛行場と言う意味
だと…」
「ゴールデンウィークっ!!」
晴香が勢い良く立ち上がった。
「……嘘じゃ無かったんだ…」
瞳を震わせながら、手紙を見下ろす。
「嘘じゃ……」
再び湧き上がって来た涙を押さえるように、両手の拳をまぶたに押し当てた。
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