26

49/77

1214人が本棚に入れています
本棚に追加
/2765ページ
「……つってもよぉ~。  飛行場って沢山あるんじゃ  ねぇの…?  これだけじゃ…」 「そうですわね…。  時間の指定も有りませんし  これだけでは…」 「15時50分…。  約束したの、壱吾と…。  ゴールデンウィークに会おう  って…。  中途半端な時間で、変だなっ  て思ってたけれど…」 震える声で呟いた晴香を、ハッと見上げた。晴香は顔を歪めて、ジッとテーブルに置かれた手紙を見つめていた。 「そう…。  やはり貴方だけが分かる  メッセージでしたのね…」 「ふ…ぅっ…」 再び大粒の涙がポロポロとこぼれ始める。 「だから、飛行場なんて…」 「まぁ、普通に考えれば成田  だよね。こっからならそこ  が一番近いだろうし…」 「時間さえ分かっているなら  成田にその時間、A国へと  向かう便があるか調べるの  は、簡単なお話ですわね…」 「……むぅ…」 雪乃と坂崎に淡々と言われて、相葉は唇を尖らせた。
/2765ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1214人が本棚に入れています
本棚に追加