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「……つってもよぉ~。
飛行場って沢山あるんじゃ
ねぇの…?
これだけじゃ…」
「そうですわね…。
時間の指定も有りませんし
これだけでは…」
「15時50分…。
約束したの、壱吾と…。
ゴールデンウィークに会おう
って…。
中途半端な時間で、変だなっ
て思ってたけれど…」
震える声で呟いた晴香を、ハッと見上げた。晴香は顔を歪めて、ジッとテーブルに置かれた手紙を見つめていた。
「そう…。
やはり貴方だけが分かる
メッセージでしたのね…」
「ふ…ぅっ…」
再び大粒の涙がポロポロとこぼれ始める。
「だから、飛行場なんて…」
「まぁ、普通に考えれば成田
だよね。こっからならそこ
が一番近いだろうし…」
「時間さえ分かっているなら
成田にその時間、A国へと
向かう便があるか調べるの
は、簡単なお話ですわね…」
「……むぅ…」
雪乃と坂崎に淡々と言われて、相葉は唇を尖らせた。
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