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慌てるマドカの更に横で、雪乃は小さくため息をこぼした。 「晴香。  乗り気な所に水を差す様  ですけれど…。  難しいと思いますわ…」 「な…なんでよっっ?!」 「パスポートはどうするおつ  もりですの?」 「そんなの申請するに決まって  んじゃんっっ!!」 「……なるほどね」 早くも雪乃の意図に気が付いた坂崎が、皮肉気な笑みをこぼす。 「晴香。  未成年のパスポートの申請  には、親の許可が必要なの  を知ってますの?」 「はぁ?  親の許可ぁぁ??」 驚き緩んだ晴香の腕から相葉はすかさず逃れて首をさする。 「親と申しますか…。  正確には保護者の許可が  必要になりますの」 「なんで…そんな…面倒臭い…」 「お義兄様はズルいと申します  か…しっかりなされていると  申しますか……。  私宛てへのメッセージと言い  どうやらお義兄様は、貴方を  無断でお連れする気は無いん  でしょうね…」 「それって…」
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