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「つまりお父様の許可が無い
と、貴方はついて行く所か
パスポートの申請すらも
出来ないんですの…」
「なんですってぇぇっ?!
あのクソオヤジがそんな
の許可するワケ無いじゃ
んっっ…」
愕然として目を見開く晴香に、雪乃は同情の眼差しを注いだ。
「その様ですわね。
お義兄様は本当に良く分かっ
ておられますわ…。」
「そ…そんなぁ~…」
つまり会う気はあるけれど、自分本位に連れ去る気は無いと言う事だ。
ついて来たければ親の許可を取れと言う、壱吾のメッセージに、さすがの晴香も気が付いた。
「い…壱吾のやつぅぅ…」
「お義兄様らしいと言うか…。
残酷と言うか…」
目の前に人参をぶらさげられた馬のようなものだ。
晴香にとって一番過酷な条件を、壱吾は突き付けている。
今にも炎を吹きそうな勢いで、晴香は手紙をギリギリと睨み付けた。
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