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「オトナの対応ってヤツだね」
あははと笑いながら呟いた坂崎の言葉に、マドカも相葉もコッソリと胸をなで下ろした。
「ざけんな壱吾っ!!
絶対に首根っこ押さえて
とっちめてやるっっ!」
「バナナも意気地がねぇなぁ。
男ならスパッと連れて行きゃ
良いのによっ…」
今回ばかりは相葉に同意だ。
晴香はフンっと鼻息も荒く拳を握り締めた。
「まぁ…とりあえず会う気は
あるって事だよね?」
「その様ですわね…」
「じゃ、そん時俺も連れて
ってよ。壱吾さんにちゃんと
お別れ言いたいし…」
「はぁ?!
何言ってんのよっ!!
お別れなんてさせる訳無い
じゃんっ!
壱吾は民宿日高の跡取り息子
なんだよっ!
首根っこ押さえてでも、絶対
に外国になんか行かせるもん
かっっ!!」
「……難しいと思いますけ
れど…」
「なんでさっ!?
おばちゃんにも話して協力
して貰うんだからっっ!」
憤然と息巻く晴香に、雪乃はそれ以上水を差す様な事は言わずに口を噤んだ。
雪乃が難しいと思ったのは、直接的に壱吾を留める事では無い。
今、どんな環境に居るかは分からないけれど、壱吾が島に戻ったとして、ならず者達がそれを放置すると言う確証が無いからだ。
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