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青い青い光が降り注ぐ海。
波に飲み込まれて、海中を力無く漂いながら、ぼんやりと瞳を開け
ていると…。
日に焼けて、整った顔立ちの壱吾
が、怒ったような、真剣な顔で手
を伸ばしてきて…
(……は…か)
力強く、晴香の身体を引き寄せる
と、海面を睨んだ壱吾はズンズン
と浮上していく。
壱吾って、本当に格好良いな~
あぁ…、これって船から飛び込ん
だ時の記憶じゃん……。
(……はるか)
壱吾に振られても、壱吾が恋しく
て、恋しくて、堪らなくなって、
大型連絡船から飛び込んだんだっ
け…。
「晴香ってばっ!!」
パチリ
「…あ?」
名前を強く呼ばれて、目を開いた
後で、ガバッと頭を持ち上げる。
「…あ?じゃないわよ、あ?じゃ
いつまで寝てんのさぁ?」
友達の水端 日奈子(みずばた
ひなこ)が、呆れ顔で晴香を見
下ろしていた。
薄くメイクをして、プルンとし
た唇が特徴の日奈子は、腕を組
むと巨乳が目立つ。
本人曰わく、肩が凝って仕方な
いらしいのだが、最近の晴香は
心から、分けてくれと思う、マ
ジで。
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