2人で過ごす誕生日

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彼女がバイトし始めてから直ぐに誕生日が同じだと知った。 せっかくの同じ誕生日だし、どうせなら 萌香と一緒に祝いたくて2回目に抱いた翌日にこの旅館を予約した。 今日と明日、萌香がバイトに入ってない事はもちろんシフトを見たから知っていて、祝うのは今日しかねぇと思った。   ここを選んだのは、萌香との時間を誰にも邪魔されたくなかったからだ。   萌香と出会う前の俺なら、絶対にこんな事はしなかったのに自分でも信じられねぇ。 付き合ってた女達にですら、こんな事した事ねぇのに俺にここまでさせる萌香は不思議な女だ。 何故こんなにも萌香が気になるのか、萌香に執着してるのか自分でも分かんねぇけど。 午後に萌香に電話したら、寝起きだったのが分かり出発時間をずらした。   俺が起こしちまったってのもあるけど、よほど疲れてたのか萌香はここに来るまで良く寝ていた。 基本的に運転してる最中に寝る女は好きじゃねぇ。 それでも萌香なら許せちまうのは何でだ? 貸し切り風呂に一緒に入るかと尋ねたら、やんわり断られたけど敢えて深追いはしなかった。 露天風呂から帰って来た萌香は、浴衣姿に髪をアップにしていてぶっちゃけ欲情した。   ヤベエ。 コイツ、マジでヤバいわ。 食事が終わって布団が敷かれた後、今日初めて萌香にキスをする。   唇を重ねながらまた萌香に意地悪したくなった。 意地悪っつうより、その為にこの特別室を取ったんだけど。 「一緒に風呂入るぞ」 もちろん。 萌香が嫌と言うのは想定内だし。 それでも露天風呂まで萌香を連れて行った。 俺の腕の中で何度も乱れてるっていうのに、相変わらず恥ずかしそうにしている萌香は新鮮でいつ見ても飽きねぇわ。 後ろから抱き締め優しめのキスをしてやると、少しずつ俺を受け入れ舌を絡めてきた。 ってか。 この体勢ヤバすぎだろ?   これじゃ俺の理性が持たねぇし。 (っつうか、俺にも理性はあったのかと我ながら痛感しちまったけど) このままだと間に合わなくなるじゃねぇか。 せっかくの計画がパァになっちまう。   本当はもっと誰にも邪魔されない露天風呂を萌香と堪能していたかったけど、湯船から上がると時間を気にし始めた。   約束の時間までもう少しだ。 アレを見たら萌香は喜んでくれるだろうか? 時間ばかり気にしてて、萌香が不安そうな顔をしているのに気付かなかった。 ただ萌香の喜ぶ顔を思い浮かべてた。
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