最大のライバル出現

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「萌香さん達はウィスキーは飲めるかな?」 美咲の叔父さんがそう訊いてきた。 「すみません、ウィスキーはちょっと……」 「私も、すみません……」 私と由希は申し訳なさそうに叔父さんに答えた。 ウィスキーなんて飲んだ事ないですよ。 「いやいや、気にしなくても大丈夫だよ。うちの美咲もこの店には付き合ってくれてもウィスキーは断られるんだ」 叔父さんは笑いながら薫さんに生ビールを3つ注文すると、薫さんは直ぐに黒服の人を呼ぶと、生ビールを頼んでくれた。 暫くして黒服の人が飲み物を運んで来てくれて、椿さんを含んだ5人で乾杯をした。   椿さんは美咲の叔父さんのウィスキーをご馳走になっている。 薫さんって美咲と同じぐらいなのに、普通にウィスキー飲めるなんてすごいなぁ。 それが仕事だからと言ってしまえばそれまでなんだけど、感心してしまう。 私もお酒は好きな方だけど、ウィスキーなんて大人な飲み物は飲めないもの。 「美咲さん、こちらの方々はお友達ですか?」 薫さんが美咲に尋ねてくる。 「友達なんてとんでもないですよ。お2人はお世話になってる先輩なんです」 「そうでしたか」 銀座のクラブのナンバーワンホステスさんと普通に会話してる美咲もある意味すごいけど。 生ビールを一口飲んで緊張が解(ほぐ)れたので、お店の中を見渡してみた。 まだ時間が早いせいかお客もまばらだけど、こうゆうお店に来るくらいだからハイクラスな人達なんだろうな。   なんて贅沢な大人の娯楽なんだろうと思う。 「薫さんはおいくつなんですか?」 少しリラックスしたのか、由希が興味津々に薫さんにそう訊いた。 「私ですか?今年24になります」 24っ!? 年下だとは思っていたけど、私より全然落ち着いてるし、何より綺麗なんですけど。 はぁぁーっ。 由希も同じ事を思ったのか、隣で大きな溜息を吐いてる。 「私達より年下……」 由希。 その気持ちすっごい良く分かるよ。 生まれて初めてのクラブ体験にどぎまぎしていて、彼女の事なんてすっかり忘れていた。  そうこの瞬間まで……。 ある種のカルチャーショックを受けていると、お店のドアが開いた。 すると、お店の中にいたホステスさん達や黒服の人達が一斉に挨拶をし始めた。   「ママおはようございます」 私の席からは入口が死角になってるから分からないけど、どうやらママが出勤して来たみたい。
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