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……な、なんだと!?……
ペーパーは、見た目にも、威力的にもヤバすぎるその技に面食らってしまった。
そして、ペーパーに突き付けられた現実は非情なもので、救いがあるとするならば、かろうじてチョキ同士でアイコだったということだけだった。
「私は、なあ、ペーパー!! お前の『ペーパー』なんてすぐにでも破けちまうような貧弱そうな名前が笑えて仕方がない。 そしてペーパー!! もし、次にそんなヘナチョコなチョキを出そうものなら、私は眠っちま~う。」
そう言って、千代子は両手を人間のそれに戻し、両手をパー状態にして、ペーパーに突っ込んできた。
その姿をみた、ペーパーは、思う。
「それは、パーなのか!?なら!!」
それは、相手が、パーなら勝てるかもしれないということだった。
しかし、千代子は、そんな希望すら、“言葉のチョキ”という一刀の下に、両断した。
「よく見な!!」
そう言われて、ペーパーは悟った。
……あれは、パーではない!! いくつものチョキだ!! 親指と人差し指、人差し指と中指、中指と薬指、薬指と小指がチョキを形成しているんだ!!……
ペーパーは、天地を揺るがす程の衝撃の事実におののく。
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