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「どうだァ!!千代子ォ!!」
驚くことに、そう言ったペーパーの身体には、かすり傷一つなかった。
なんと、ペーパーは、コヨーテの生命エネルギーを少しだけ犠牲にして傷を回復しておき、不意打ちの機会を伺っていたのだ!!
一方、鼻毛も飛び出る程のこの衝撃の事実を聞かされていた千代子は、倒れ込んではいなかった。
更に、ふと、ペーパーが覗き込んだ千代子の顔は、感情すら全くない能面のようなものだった。
傷は思ったよりも浅く、その痛みも忘れて、千代子はプッツンとキレていたのだ。
「潰す!!」
千代子が、八鋏流の構えをしながら言ったその言葉には、尋常ならざる殺気が漲っていた。
しかし、そんなものに動じるペーパーではない。
ペーパーも、八鋏流の構えをしながら、向かい合った。
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