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「俺達が、チキンなのは、ブレーブじゃなく、髪型だけなのさ!!」
コヨーテは逆立ったニワトリ型の髪型のトサカ部分をなでながら得意げにいう。
「成る程、ハゲにトサカは、あんたらの象徴的髪型か。滑稽を通り越して厳つい奴が多い。」
とペーパーは、コヨーテらを褒めた。すると突然、ペーパーは、急にあることを思い出した。
「なあ、コヨーテ。あんたは、何故じゃんけんに負けて、精神的に参らないんだ。俺の母さんは……母さんは……」
とペーパーが、しんみりと言うと、コヨーテは、下向きながら苦々しい口調で答えた。
「……言いにくいが、ペーパーの旦那、ロックは、夜通しじゃんけんをし続けたと聞くぜ。……何回も何回も執拗以上に繰り返し、ついにあの人の心は折れた。そう聞くぜ、ペーパーさん。……ペーパーさん?…………………………………………んっ!?」
コヨーテが顔を上げ、ペーパーを見ると、ペーパーは、コヨーテのバイクを殴り八つ当たりしていた。
ペーパーは、話の途中で感情がコントロールできなくなっていたのだ。
「くそぉ、ローック!!許さない、許さない!!なんて非道、なんて醜悪!!!この世にお前程の悪はいない。この無機物はお前の末路そのものだぁ!!」
最後にトドメの握りこぶし一つ、バイクは爆発し、塵と化した。
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