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あの頃、俺には高校3年から付き合っていた知念という彼女がいたんだ。
それは君も知っているでしょ?
あの日ー君と俺が関わりを持ったーは、知念と待ち合わせをしていたんだ。
君は、ゼミの帰りだったんだよね。
約束の時間を三時間過ぎても来ない知念に俺は少し、いや、かなり嫌な予感がしてたんだ。
でも、その予感は当たって欲しくなかったんだ。
だから、俺は知念を待ってた。
ポケットからの振動に俺は期待を込めて、携帯を取り出すと
『今日は行けない、ごめんね』
何度目かもわからない知念からの断りメール。
今日に限っては絵文字もなし。
その事に俺は我慢ができなくなって、知念に電話をした。
『もう遊ばねえからな』
電話に出たら、こう言ってやろうって。
必死に嫌がる知念を想像しながら俺はコールし続けた。
何コール目かはわからないけど、やっと知念が出て、ずっと言おうとしてた言葉を出した
その時、俺は知念の電話の向こうから聞き覚えのある声に気づいた。
そして、身体が凍り付いた。
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