それは君でした

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「山田くん、食べなよ」 中島は、目に涙を溜めるほど笑いながら言った。 「笑うなよ、バカ」 俺は中島の頭を優しく叩いた。 中島はにゃははと笑いながら、ベッドの横の椅子に座り俺に手を差し出した。 「友達になろう、山田くん」 俺はその手を握り、 「友達にくん付けはないだろ」 と言った。 中島は、納得した顔で 「じゃあ、なんて呼べばいい?」 と言った。 「好きに呼べよ」 俺が言うと、中島は考える顔をして 「山田ちゃん…山ちゃん!」 山ちゃん…。 「下で呼ばないの?」 ちょっとした疑問に俺は尋ねた。 すると、中島は顔を赤くしながら 「いきなり下は恥ずかしいよ」 呟くように言う。
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