それは君でした

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やっぱりな…。 父さんだったんだ。 また、父さんに寝取られた。 俺は今までの人、みんな男女関係なく親父に寝取られた。 知念はないと思ってたが、親父の卑しい声の後に、知念がかすかに喘いでる事から、俺は悟った。 また、寝取られたと。 知念にはまだ手を出していなかった。 大事だったから。 親父が知念を妙に気にいってた理由も、知念と親父が二人でこそこそしていた理由もやっと分かったんだ。 遅いな、俺。 俺の中の何かが壊れた気がした。 俺の頬が冷たくなった。 ああ、雨か。 俺の心の傷に染みる雨が降っていた。 俺は狂うように笑い、そして意識を失った。
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