9人が本棚に入れています
本棚に追加
暫く無言の攻防戦の後、長いため息をつきつつ、秋良が悠の横に腰を下ろせば、膝の間に悠が移動してくる。
「なぁ。何してんの?」
後ろから抱き締める様なかたちになり、秋良が平静を保って問い掛ければ
「え?背中空いてると怖いし、背中合わせだと寂しいから。ダメ?」
と言いつつ、無邪気に見上げてくる。
(いやいや。何なの?人の理性試してんの?)
そうは思いつつ、悠のお願いには弱い秋良である。
「はぁ…。仕方ねぇな。」
「ありがとう。つき合わせてゴメンね。」
「別に。でも、そんなに怖いか?この話」
分からんと言いつつ、近くにあった本を一冊とり秋良も読み始める。
「だって絵が上手すぎて怖い。」
秋良の言葉に、顔を赤くしつつ、悠も続きを読み始める。
「ふーん。そんなものか?」
「そんなものですよ。」
他愛もない会話をしつつ、いつの間にか2人ともマンガの世界に没頭していった。
最初のコメントを投稿しよう!