休日

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 軽く咳払いをして、自分を落ち着け、とりあえず理性が保たなくなる前に離れようと部屋を出ようと立ち上がれば、後ろから裾を引っ張られた。 「・・・。何?」  訝しんで振り返れば、悠が服の裾を掴んで首を横に振っている。 「もう少しで全巻読み終わるから、それまでそばに居てください。お願いします。」 「はぁ?怖いなら読むの止めろよ。」 「だって、今止めたら、続き気になるし。気になって更に怖いもん。」 (…もんっていい歳した大人のセリフじゃねぇだろ…。)  そうは思うものの、裾を掴み、必死に見上げてくる兄を無碍【むげ】にも出来ない。
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