完璧な妹

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 俺に残されたのは笑うことだけだった。うなだれながらわざとらしく笑い声を上げる。 「楠野さん」  その時、道の角から人が現れる。何度か見かけたことがある奴である。こいつも頑張るよな。  朝の定型行事第二弾が始まった。 「俺と付き合っ――」 「ごめんなさい」  玉砕。姫花は喋りかけてきた少年を一瞥もせずに通り過ぎていく。  少年は呆然と立ち尽くす。俺はその肩を「どんまい」と言って軽く叩き姫花の後ろに続く。勿体ない、こいつモテそうな顔してるのに。  姫花への告白タイムは終わらない。  「ずっと前から見ていました」「私はあなたを知りません」「好きです」「興味ありません」「一目惚れです」「そんなものは存在しません」
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