完璧な妹

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 街中でアンケートを取ればどんなに可愛い人でも、十人に一人か二人ぐらいはタイプじゃないと答えるだろう。しかし姫花はたとえ十人に聞こうが百人に聞こうが、誰もが等しく美少女と答える。そのくらいの美少女っぷりなのである。  上等な白磁を思わせるような肌に、この上なく整った目鼻立ち。大きな瞳を縁取る長い睫毛と、淡い桃色の唇がどこか幼く、されど艶かしい色気を醸し出している。 「どうかしましたか、兄さん?」  上品に伸びたパーマのかかった栗色の髪を僅かに風で揺らしながら、姫花は小首を傾げた。 「ああいや、別になんでもない」  さすがに、俺は自分の妹に面と向かって『可愛い』と言う度胸はない。チキンですから。  姫花は「そうですか」と、さして気にした様子もなく視線を前に戻した。 「それじゃあさ、いちいち朝に告白されるのも面倒だし、自転車で登校しないか?」
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