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「むっ、なんだその不敵な笑みは」
「ピンクの水玉」
「ぐはっ!」
琴音はわざとらしく声を上げる。
「ま、まさかあの僅かな時間でそれを見破ったのか……」
「はっはー、なかなか可愛いの履いてるじゃねーか」
いや、俺が凄いんじゃないんだけどね。あれだけ豪快に蹴ってくれば誰だってスカートの中ぐらい見える。
「くそっ! かくなる上は光一くんを抹殺する」
「いいのか? 教室中に琴音のパンツは水玉ピンクと言いふらすぞ」
「お、おのれ……」
身長が百四十センチちょっとしかないロリ系少女は、その矮躯をふるわす。されど迫力とか威圧感とかそういうものはまるで感じられない。気分的には小学生を相手しているようなものである。
これもほとんど定型行事。そして俺はなぜかいつもヒール役なのである。
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