完璧な妹

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「…………」  とりあえず無言で若干の抵抗を試みてみる。俺負けず嫌いな性格ですから。  沈黙。カチカチと時計が十秒きっかり進む。 「あと三十秒以内に目を覚まさないなら、兄さんの赤裸々ストーリーをここで語ります」  一瞬、心臓が跳ねた。それはやばい。かなりやばい。周りに知られたら自分の存在を消したくなるような事も少なくない。  だが。  そこまでこいつは知らない。妹とはいえちゃんと秘密にしてある。  落ち着け俺。ビークール俺。問題なんてありません。  三十秒経過。 「小学三年生の時に隣の席の良子ちゃん――」 「ジャストミートじゃねーか!」  布団から跳び起きた。さようなら朝の至福。こんにちは存在の危機。  つーかなんでそれ知ってんだこいつ!  そして、微笑む妹の姫花と視線が合う。 「おはようございます。兄さん」
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