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「ああ、おはよう」
「それじゃ、十五分以内に制服に着替えて、顔を洗ってリビングに来てください。もう朝ご飯できてますから」
「分かった」
姫花はドアを閉めて、階段を軽やかに降りていく。
引越した次の朝からの定型行事は、またもや俺の敗北で終了した。通算成績は百七十三敗である。もちろん勝利は未だに一度もない。
とある事情あって、俺は高校一年生が終了すると引越しを決意した。幸い我が家はお金には苦労してなく、「自分探しの旅の為に一人暮しをしたい」と言うとあっさりオーケーだった。
次の日には隣街にある中古の二階建ての家が、俺の住家となる。
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