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こうなったら仕方ない。両親は泣く泣く「なんで姫ちゃんが……」「光一なんてどうでもいいのに……」とか言って俺に姫花を預けた。てか考えると可哀相だな俺。
「はいはい」
テレビをニュースに回してから席につく。今日の朝食は和食である。ちなみに、昨日は洋食だった。姫花は毎日洋食と和食を入れ替える。しかもこれがどっちもすげー上手い。
俺はみそ汁をすすりながら姫花に尋ねた。
「最近なんで新聞を二つ取ってるんだ?」
姫花は小鳥みたいに目をぱちくりさせる。
「もしかして兄さんも一誌読みたかったんですか?」
「いや、そういう訳じゃなくてだな……」
「それはいいことです。兄さんにも社会の知識を少しは知って欲しかったところですし。毎日新聞にしましょうか? 経済新聞でしょうか? スポーツ新聞は……まあ初めてだしこの際――」
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