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「いや、そこら辺の詳しいことは説明しなくてもいいから。むしろ説明するな」
政治とかは絡んでくると色々面倒なんだよ。
「もう、兄さんは本当に不真面目です」
姫花は拗ねたように頬を膨らます。
「いや、お前みたいに高一にして新聞を二誌取って達観してる奴はそうそういないよ」
これでも昔よりはかなり真面目になったんだ。中学の時など新聞の必要性さえ分からなかった。
そういえば――昔で思い出した。
「お前なんで俺の初恋のエピソードなんて知ってるんだ? 言ってなかったはずだったが……」
朝の敗北の一連に持ち出された攻撃は、同じクラスの小野寺良子ちゃんに恋をした、小学生時代の初恋のエピソードである。
もちろん実りはしなかった。山ほどの作戦を考えたが、当時シャイだった俺は一度もそれを実行できなかったのである。
「兄さんの日記を読んでたからに決まってるでしょう」
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