少女の憂鬱タイム

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…しかし今は…。 かなり普通の家となっている。 「ただいまー。」 私は今、高校から家に帰ってきた。 家は嫌いである。 「お帰りなさあい。あら、また勉強?柚希は真面目ちゃんねぇ。もっと遊んでも良いのよ? あんまり勉強ばっかりしてると、みんなに逃げられちゃうわよ?」 お母さんである。 またこれだ。 でも今日はまだまし。たまに恋愛までどうこう言うから。 …。家族は嫌いである。 お父さんも、お母さんも、お金の事ばかりだ。 小さい頃から寂しかった。家でも外でも独り。 でも、昔は今より孤独を感じなかった。 …まだおじいちゃんが生きてたから。 昔の私は、おじいちゃんと話すのが唯一の楽しみだった。 おじいちゃんは私に、この、田村家の事を色々話してくれた。 家系図を見せて貰ったとき、自分の名前が入っていて、目を輝かせたのを今も覚えている。 私の誇りは、この田村家の1人だということだけだ。
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