僕のヒロインは邪神の様です。

2/16
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
夜の繁華街の一角、黒猫が空を跳ぶ。屋根から屋根へ飛んで行くその猫は、不吉を告げて去っていく。 ああ、今宵も宴は狂乱へと誘われるのであろう・・・。 コの字に建ったマンションの階段を上がった所。202、203号室のドアが見え、さらに上がり終えた所をUターンすると、夜景が堪能出来るわけだが、やはり今宵は一味違う。 人の後ろ姿が、そこにはあった。 「満月が綺麗・・・。ずっとみていたい・・・。」 少女の願いは届かない。背後からの一撃に気付けぬまま、少女の頭を鉄パイプが打つ。 鉄パイプは止まり、額から鮮血を流した少女が後ろを向けば、戦慄が走る。 「ってぇな・・・・・。」 少女の目は凶悪になって行き、鉄パイプで殴ったであろう男を恐怖へと誘った。 少女は指先を男に向ける。指先から光が漏れ出し、冷気をも放つ。 そして、男が放たれた光から姿を現したときには、凍りつき動かなくなっていた。 「その氷、並の炎じゃ溶けませんよぉv^3^v」 こうして、狂乱はひとまず終わりを告げる。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!