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由比 遥人は、学校の校門をまたぐ。重いカバンを背負って、教室のドアを開ける。いつもと同じ風景の中、遥人は歩く。
「オハヨー。由比くん。」
「ん・・・ああ、織本か・・。」
「眠そうね。ちゃんと寝てるの?」
大あくびをしながら、遥人は席に着く。
「どうなんだろう・・。僕の睡眠時間と他人の睡眠時間を比べたら、まあ恐らく僕の方が少ないんだろうけど。」
「じゃあダメじゃないの・・・。」
他愛もない会話を終え、チャイムとともに朝はキリ良く顔を出す。
朝が変わらないのであれば、当然日課が変わるはずもなく、物静かで退屈な毎日が彼らを待つのみだった。
「早く帰りたいなぁ・・・。」
一人、呟くだけだった。
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