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遥人は授業を終え、帰りの支度をし始めた。
「ふう~・・・!!この時の為に生きてるなあ。」
「何よそれ・・・。」
呆れる織本など放り遥人は家路を辿る。
うるさい繁華街に足を踏み入れ、近道を使う。途中、コンビニが目に留まった。
普段ならば素通りしていくのだが、何故か今日に限っては無性にウズウズしているのだった。
「寄ってってみるか。」
フラッとコンビニへと。遥人は引き寄せられるように入って行く。
「いらっしゃいませ!!」といった挨拶や、内装、商品の陳列具合などのどの点をとっても他店とさほど変わらないのだが、あまり使用しないコンビニほど新鮮に見えるものはないだろう。
「喉も乾いたことだし、飲み物でも買ってこーっと。」
ミルクティーを片手に、遥人はレジへ向かう。
レジでの何気ないやり取りの中、店員は突如手を止めた。
雨が降り出したのだ。
「お客さん、傘がいりますよこりゃ。買って行きます?」
「・・・・だな。」
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