生々流転

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ナタは、雄大な自然に囲まれながら指を数えた。 一本二本。 三本目の指を上げたとき、ナタが溜め息を吐いた。 「いつまで待たせるんだよ……モタのバカ……」 小高い丘に立つナタの後ろには、背の高い細い木があった。 ここはナタとモタだけの秘密の逢い引きの場所。 人びとは、そこにある木をガウタマの木と呼んでいた。
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